くの字に曲がった水泡眼
お祭り金魚稚魚が全滅したある日、ペットショップにいた水泡眼を2匹飼ってしまった。
2018年の夏の終わりのこと。
お祭りで娘がすくった金魚3匹と、新入り2匹。
写真のコの名前は、ふく。
小さいコだったけど、もう一匹が少しずつ大きくなってきても、ふくは小さいまま。
そんなふく。1年経った頃、片方の水泡に、うっすら黒い影が。
てっきり病気だと思ってハラハラしていたら、
ヒレの先も少し黒くなって、左の水泡の黒い影は、はっきりとした黒い模様に。
一年も経ってから、柄が変わるなんてことがあるんだ…。
ふくには驚かされてばかり。
このふく。
最初から、多少の難ありなんだろうな、と思っていた。
エサもあまり食べず、というか、もう一匹の水泡眼(名前はぷく)に先に食べられてばかりで、食べたとしてもほんの少し。しかも、しばらくしたら口からブワッと吐き戻しちゃう。
ぷくはかなり元気で、もう一匹のリュウキンと仲良し。
一緒に泳いで、エサもいちばんよく食べる。
動きが水泡眼とは思えないほど、早い。
ふくはというと、底に沈んであまり動かず、口の部分が他の金魚に比べると、エサを食べる時のパクパク度が違う。口がほとんど飛び出さないというか、なんというか。
でもまぁ、何とかマイペースでリュウキンとデメキンのなかで暮らしてた。
色が変わって3週間ほどで、ヒレの先の黒い柄が、また元の色に戻ったのにはまたもや驚いたけど。
それが1月23日の木曜日。
ふと見ると、ふくの体がくの字に曲がって、黒い柄がついたほうの水泡が少し小さくなって、そこを下に、大きいほうの水泡が上になって、横に倒れてじっとしていた。
予備の水を溜めていたバケツに移し、様子を見ていたけど、エラも開いてあまり動かず、お腹も少し黒っぽく見える。
このまま死んでしまうのかと悲しくなった。
検索すると、奇形が後になってでてくる場合があるとのこと。
ある日突然、金魚の体からくの字になることが、ある。
びっくり。
もちろん、そうなると長くない。
なんてこった。
ひどすぎる。
よくみると上になっている水泡が、少し黒くなりだしてる。病気なのか。新しい柄なのか。
下の水泡はよく見えないけど、すでに黒くなった部分は、変わらないように思う。
ふくは、食べるのが下手だから、いつもお箸でエサを近づけると、寄ってきてパクッと食べてくれてた。
何とか生き延びて欲しい一心で、エサを口元に置いてみる。
すると、体をくねらせながら食べた!
10秒後、吐いた。
数時間後、またあげてみた。
食べた。
でもまた、吐いた。
翌日、金曜日。
それを何度か繰り返した。
土曜日。
同じく、吐いた。
でも、ほんの少し、吐く量が減った気がした。
テトラフィンの、薄いエサ。
ふくは、ピンクならよく見えるらしく、ピンクにだけ反応して寄ってきてたから、今回もピンクをあげた。
日曜日。
二度目にあげたとき、何とか吐かなかった。
ということは、ちゃんと食べたんだ!
月曜日。
夜、細い小さなウンチがあった。
すごい。ふく、がんばってる。
相変わらず、底に沈んだままだけど、お箸を近づけると一生懸命、泳ごうとする。
ふく、くの字になって、今日で5日目。
がんばれ、ふく。